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グローバル常備品部
中野正紀
NAKANO MASAKI
愛知大学 法経学部 法学科卒 1998年入社
2015年から4年間のインドネシア駐在を経て、現在に至ります。これまで工場営業や設備営業など、国内で数々のプロジェクトに携わってきましたが、初めての海外駐在となったインドネシアでの経験が、私の豊通マシナリー人生の大きな転機になりました。現地では常備品、設備営業、工場営業、新工場の立ち上げプロジェクトに関わっていました。もっとも大きなプロジェクトだったのが、大手自動車メーカーのインドネシア新工場の立ち上げです。この工場で使われる設備と海上輸送を豊田通商が、その後の現地での通関、陸送をインドネシア現地法人(TME)が、そして設備の据付は、豊通マシナリーとTMEと現地のサプライヤーが行うというプロジェクトでした。この据付の工程で大変な苦労がありました。豊通マシナリーの技術力の高さはお客様も認めてくれていましたが、実際に現地で据付作業を行うTMEに関しては、納期や安全面に不安をお持ちでした。そこで、発注の可否を判断するために、お客様が現地に調査に来られたのです。その結果、様々な指摘をいただくことに。作業方法からローカルスタッフへの教育に至るまで、即座に改善に取り組みました。特に強く指摘された作業の安全性に関しては、日本で梱包する際の資材の変更から、現地での作業方法の大幅な見直しなどまで徹底的に行い、その指示もインドネシア語にすべて翻訳した上でローカルスタッフに周知。また、日本では当たり前ですが、安全帯やヘルメットの着用などを義務づけ、教育を受けたスタッフしか現場に入れないようにしました。その上でお客様に再度確認してもらったところ、ようやく受注。ここに至るまで半年の時間が流れていました。最終的には、工期を1ヶ月前倒しすることができ、無事故無災害で完了しました。お客様からは「ありがとう」の言葉をもらい、さらにその年の優秀なサプライヤーとして、お客様から表彰されたのです。あの時は、本当に嬉しかったですね。
現地のローカルスタッフとコンセンサスを取りながら、目標に向かって知恵を出し合い、戦略を立てて実践するという、このプロジェクトは大変でしたが、やりきった時の充実感や達成感は想像以上に大きなものでした。何より、スタッフが自信を持って生き生きと仕事に取り組む姿が見られた時は、この仕事に携わってよかったと喜びを感じました。また、現地で主に関わるのは、国内の時とは異なり、社長や役員クラスの方がほとんどです。仕事だけでなく、プライベートでの付き合いも多く、いい関係性が築けたことで、帰国後の仕事に役立っていることも、駐在時代の大きな収穫だったと思います。
一方で、ASEAN諸国の特徴とも言えるのでしょうが、とてもおおらかで、文化も時間軸も違うため、感覚そのものに隔たりがあります。日本の常識が通じないのは当たり前ですから、そんな中で現地のスタッフと綿密にコミュニケーションをとりながら、ベクトルを合わせて同じモチベーションで仕事に取り組むことが、いかに難しいかを痛感しました。この経験があったからでしょうね。駐在前までは、時に部下を大きな声で叱ることもありましたが、部下ができないのは自分のフォローや伝え方が不十分だからだと、考え方が大きく変わりました。
現在、部をまとめる立場の人間として取り組んでいることは、メンバーにできるだけ多くの成功体験が得られる環境を作ることです。営業はロールプレイングゲームと同じで、お客様にとって何が課題で、その解決のためには何が必要かを考え、情報を収集し、自分で作戦を練って受注に結び付けます。その結果、お客様に喜んでもらえれば、大きな自信になり、仕事がどんどん楽しくなります。まずは成功に導きやすい案件に取り組み、そこから徐々に難易度の高い案件を経験することで、より大きな達成感を得られるようにしていきたいと考えています。もちろん成功したら褒めますが、たとえ失敗してもやり方を変えればいいだけです。「とにかくやる!」。プランだけ考えていても、何も進みませんから。そして個々が仕事を楽しむことで、チームに活気が生まれ、いい結果にもつながります。そうなればさらに仕事が楽しくなる。そんないい巡りの部署にすることが、私のひとつの目標でもあります。もうひとつの目標は、部門間のシナジー効果が発揮されるようになることです。設備は受注できても据付が取れなかったり、据付は取れても常備品は受注できなかったり、ということがまだまだあります。もっとお互いの部のことを知って、それぞれが持つすばらしい機能をうまく活用して、一気通貫で仕事が請け負えるようにしたいですね。