社員紹介Staff Interview

今できることを精一杯やる。
海外駐在で身に付けた
対応力と実践力。

機械第1部(海外出向中)

川勝諭

KAWAKATSU SATOSHI

静岡大学 情報学部 情報社会学科卒 2012年入社

要求レベルとのギャップに悩む

 父親の仕事の関係で海外在住経験があり、また大学時代には留学もしていたため、語学には少し自信がありました。海外の人とのコミュニケーションがとれる仕事に興味があったことから、商社という業界を志望。豊通マシナリーでの面接では、面接前に人事部の人たちと話をする機会があり、とても話しやすい和やかな雰囲気が好印象でした。そこでの何気ない会話からも、人柄や仕事に対する真摯な姿勢が感じられ、こんな人たちと一緒に働きたいと思ったことが、入社の決め手です。
 入社以来、法人向け営業担当として国内で3年勤務した後、豊田通商メキシコへ出向。海外駐在員歴もまもなく5年目になります。私が所属する部署は、自動車製造関連の企業様向けに、生産設備や予備品などの販売を行っています。私は海外に配属になるまで設備の立ち上げや輸出入業務に携わったことがほとんどなく、新たな業務にゼロから挑戦することになりました。専門知識が必要な業務に関しては初めから完璧にこなすことは考えず、顧客の開拓など自分ができることから始めました。現在では、日本国内のお客様のメキシコ拠点へのアプローチや現地市場開拓、さらに現地スタッフの育成を任されています。
 日本は、世界でもトップクラスの技術力を誇っています。それゆえ日系現地法人のお客様は、高い技術レベルを要求します。しかし、現実的には納期の概念や技術力など、やはり日本国内とは大きな隔たりがあります。文化や歴史など、お国柄が違うので当たり前のことなのですが、この差を埋める方法、方策を見出すことが容易ではなく、どのようにすればお客様の求めるレベルで答えることができるかを考え、日本の先輩方のサポートも頂きながら、現地駐在員・スタッフなどと思案する毎日です。

協働の先に生まれる信頼関係

 ある国内メーカーの現地工場へ、溶解炉を導入する案件がありました。設計は日本のメーカーで、制作はメキシコの業者が行うというもので、途中、お客様から納期を2ヶ月縮めてほしいと言われたのです。しかし、メーカーに納期短縮を指示したところで、簡単にできることではありません。そこで具体的な工程をお客様に説明し、どの工程がどれだけ縮められるかを見える化し、お客様とメーカーとで情報共有できるようにしました。お客様の担当者は日本人で、メーカー担当者はメキシコ人。言語的なサポートも含めての調整が必要となりました。私の拠点からお客様先まで飛行機で1時間かかるのですが、週に一回はお客様のところに行き、その帰りにメーカーに寄って、現場で部品を一点一点チェックするということが続きました。時にお客様にも一緒に現場に来ていただき、状況を知ってもらうなど、いかにお客様も巻き込んで進めていくかというところに、商社マンとしての力量が問われていたような気がします。最終的には納期短縮2ヶ月希望だったところを1.5ヶ月ほど縮めることでお客様に譲歩してもらえたのですが、「何とか収まってよかった」と、お客様にもメーカーにも喜んでもらえて安堵しました。この一件で、お客様ともメーカーとも信頼関係を築くことができ、今でもいいお付き合いが続いています。商社と聞くとスマートな仕事を想像する人が多いかもしれませんが、実際は現場作業もしますし、泥臭いことの方が多いと思います。ただ、自分が汗を流して動くことで、人と人が繋がり、そこから仕事が広がっていく。それこそが、商社ならではのやりがいなのだと、心から感じています。

海外赴任中に果たすべき役割

 海外に駐在していると特に感じるのですが、公私は完全に分けて、オンとオフをしっかり区別することが、良い仕事につながります。通信手段が発達し、24時間どこにいても仕事ができる今の世の中ですが、緊急時・重大事ではない限り、休日はしっかり休み、心身ともにリフレッシュすることが、結果的に良いアイデアを生み、効率的に精度の高い仕事ができるようになります。このことに気づいてから、弊社の「明るく・楽しく・元気よく」というスローガンの意味が少し理解できました。
 海外駐在の任期も折り返しを迎えています。やはり海外で、日本と同じように仕事をやりきることは難しく、その大変さは経験していない人よりはわかっているつもりです。そういう意味でも、日本では経験できないようなことを任されていますので、今後、メキシコに限らず、国外への進出や、もしくは海外拠点への設備導入を考えている日本のお客様に対しては、経験に基づいたアドバイスができると思います。一方で、一緒に頑張ってきた現地のスタッフが、これから先、少しでも楽しいと思えるような、またやりがいのある仕事をやり続けられるような環境を、現地スタッフと共に作り上げていくことも、私の役目でもあると考えています。赴任中にしかできないことをしっかりと見つめて、全力でやりきる。それが今の私の目標です。

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